札幌医大泌尿器科同門会 忘年会 2013!!

札幌医大泌尿器科同門会の忘年会は、今年も京王プラザホテル札幌


忘年会の前には恒例の「札幌腎・泌尿器疾患研究会」が開催され

まずは、舛森教授から、大学と関連病院で行われている臨床研究の報告があり


その後、群馬大学大学院医学系研究科器官代謝制御学講座泌尿器科学、准教授 伊藤一人先生の特別講演

演題名は 「前立腺がんPSA検診:真実と誤解の総決算2013」

PSA検診については、以前厚労省研究班から 

「PSA検診は早期診断には有用であるが、死亡率を減少させる効果は証明されていない」という理由で、「住民検診として実施されることは勧められない」、というガイドライン案が出されました

それ以来、患者さんの中では、PSA検査そのものが意味がない、と勘違いされる方が多く

検診以外でのPSA検査も希望されない方が増えた印象がありました


実は厚労省もPSA検査を否定しているわけではなく、公費で行う検診にいれるほどの有効性はない、ということなのです


でも、はたして、PSA検診は意味がないのでしょうか・・・

今回、伊藤先生のご講演は、PSA検診を否定する論文、推奨する論文全てを細かく分析し

統計学的な意味を含めて、中立な立場でお話をしてくださいました

論文には数字のマジックが存在したりしますからねぇ・・・

結論だけ読んでわかったような気になる、ということの危険性も・・・


それに、従来の常識を覆す意見は、センセーショナルで脚光を浴びがちですから・・・


PSA検診が前立腺癌の死亡率を低下させない、とはいうものの

癌の死亡率、というのも数字のマジックがあって

癌と診断されながら、他の病気や事故で亡くなった場合は癌死にはならないわけで

死亡率だけで評価する、というのもどうなのでしょうか・・


実際に患者さんと向き合う泌尿器科医にとって、診断されてからの生存期間や患者さん自身のQOLも重要なわけで・・・

それに、PSA検診によってがんと診断される人の数が増えている、ということも忘れてはいけないですね

ということは、検診を受けなかったために癌が発見されず、本来受けられるはずの治療を受けられないがん患者さんがいる、ということです

例えば仮に発見率が1%だとしても、その1%の人にとっては唯一の命なのです


厚労省のいう、推奨されない、というのはあくまでも費用対効果

医療費をいかに抑えるか、を重視している、という印象はぬぐえませんね

勿論、限られた予算で考えた場合、やむを得ないこともあるかもしれませんが・・・



私が医者になったころはPSA検査もなく、前立腺癌診断に有効なマーカーはありませんでした

なので、早期に診断される人は僅かで、手術件数も本当に少なかったです

前立腺肥大症の術前に行われる生検で偶然見つけられるのがほとんどで、転移して他科から紹介されてくる患者さんも多く

腰痛や歩行困難で整形を受診したら、骨転移だった・・・、とか

転移性肺癌やリンパ節転移の組織を調べたら腺癌で、原発巣が前立腺だった・・・、というのはよくあることでした

その状態では勿論手術の適応ではなく、内分泌療法と痛みをとる治療のみ・・・

といっても、今のように内分泌療法の良いお薬も少なく、精巣を摘出して男性ホルモンを抑える、という治療も



その頃のことを考えると、PSA検査によって早期診断が可能になり

様々な治療法が進歩して、癌と診断されてからのQOLも改善され

その恩恵にあずかるチャンスを逃すのは、もったいない・・・、と私は思います


特に、前立腺癌の家族歴がある方は40代からPSA検診を受けたほうが良い、といわれていますので・・・



伊藤先生のご講演は、冷静で理論的で納得できるものでした

そんな難しい内容を、終始にこやかに分かりやすく話される姿に、先生の優しいお人柄を感じました

統計学的な数字がどうあれ、患者さんはそんな数字の一つではなく、かけがえのない命です

泌尿器科医は臨床医として、目の前の患者さんが安心して治療を受けられるように努力すべきであり

そのためには、泌尿器科学会としてPSAの基準値やPSA検診の在り方も検討していかなければならない


そうおっしゃる姿が印象的でした・・・



ということで、講演会も終えて、お待ちかねの忘年会~


会場はいつものように、京王プラザホテル1階の 「グラス シーズンズ」

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舛森教授、塚本前教授、熊本名誉教授のご挨拶

そして、特別講演の伊藤先生のご挨拶もあり

さらには、来年で研修を終えて札幌医大泌尿器科教室員になられる予定の先生が紹介され

今回は女性の先生もいらっしゃいますね

嬉しい限りです

3Kの職場ともいわれる泌尿器科にこれだけたくさんの先生が入る予定で

しかも女性もいる、ということは札幌医大泌尿器科に魅力があるからですね


私も同門会に入れていただいて11年になりますが

札幌医大卒業ではないにもかかわらず、いつも診療面で助けていただき

ゴルフコンペや忘年会もとても楽しく過ごさせていただいて

素晴らしい教室ですねぇ・・・


ということで、美味しいお料理をいただきながら

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いろんな先生と仕事の話、ゴルフの話、盛岡の話、達郎さまの話・・・

そして、講演してくださった伊藤先生と、PSA検診の真実について・・・、さらに掘り下げて・・・


こうしてみると、泌尿器科医はいつも患者さんのことを考えているんだなぁ・・・、と改めて思いますねぇ・・

優しい人が多いです

それは大きな学会に行っても感じることですが・・・



そんな楽しい時間もあっという間に過ぎて、今年の忘年会も無事終了

私にとっては今年最後の忘年会

といっても、二つしかありませんでしたが・・・


来年もまた頑張らなければ・・、と決意を新たに!!



京王プラザホテルの皆様、いつもありがとうございます

今年も、お料理とても美味しかったです



それにしても、大みそかにPSA検診のことを考えているなんて・・・

多分、そんな女性はほかにいないでしょうねぇ・・・

さすがに30年もやっていると、泌尿器科医が染みついている・・・




ということで、のんびりブログを書いていたら、母から電話

買い物を頼まれたので、これから食料品を買って実家に行きま~す

例年通り、実家での年越し

甥っ子や姪っ子も帰ってきているようなので、賑やかな大晦日になりそうです~



今年一年 「ほのぼの日記」 をご愛読いただきありがとうございました

来年もまた、よろしくお願い申し上げます



皆様も佳き新年をお迎えくださいませ~









この記事へのコメント

太朗冠者
2013年12月31日 20:07
前立腺炎や血栓マーカーや腫瘍マーカー5年前異常ありと言われますがまだ元気で放射線を注射する検査では異常なし
不思議です
リッチー林
2013年12月31日 21:41
大瀧詠一さんが亡くなられました。信じられません。言葉になりません。達郎さんもどんなに気を落としている事でしょう。こんな気持ちで正月は迎えられません。寂しいです。
しろくま
2013年12月31日 22:25
PSA検査 やはり「自分の身体は自分でまもる。」 という意味でも、積極的に受けていきたいと思ってます。
血液検査でできる事を知らない方もいるようですね。
今年の私の検査結果は-でした。
ほのぼの
2014年01月01日 01:43
太朗冠者さんコメントありがとうございます
腫瘍マーカーも100%ではないですからね。
例えば血尿も、病的じゃないものがほとんどですが、病気が隠れている可能性がある限り検査は必要になります。
どこまでやればよいのか・・、難しいところですね
ほのぼの
2014年01月01日 01:58
リッチー林さんコメントありがとうございます
私も大晦日のお昼のニュースで大瀧さんが亡くなったことを知り、とてもショックでした
夜のニュースでは、大動脈解離だったとのこと・・・。
そうであれば救命は困難ですね。
予兆はなかったのでしょうか
残念です。
大瀧さんの「A LONG VACATION」が流行ったのは大学生の頃で、岩手県出身ということもあって、毎日聴いていましたね
ついこの前ドラムの青山さんが亡くなったばかりだというのに・・・
達郎さまの悲しみを考えると、つらすぎます
また一人才能あるミュージシャンを失って、とても悲しく、寂しいです
言葉もありません。
ご冥福をお祈りします。
ほのぼの
2014年01月01日 02:03
しろくまさんコメントありがとうございます
PSA検査は検診ではオプション検査になっていますが、勿論検診以外でもできるので、50歳以上の方には何かの折にぜひ受けていただきたいですね
親父サーファー
2014年01月01日 09:06
新年おめでとうございます波の上で日の出と洒落たつもりが岸は大勢、際物扱いの声が(笑)凍えた身体で出勤中城(日本)バケーションUSA目指して。
ほのぼの
2014年01月01日 16:02
親父サーファーさんコメントありがとうございます
あけましておめでとうございます。
波の上で日の出なんて、ホントに素敵なのに、際物扱いは酷いですねぇ
でも、凍えるような海ですからね・・・、仕方ないでしょうか・・・
こちらは吹雪で、初詣も大変です
風邪をひかないように、バケーション目指してお仕事頑張ってくださいね。

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